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ルビヤンカの壁の落書き

あらゆる方面の事柄を気の赴くままに書いていこうかな、と。

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武器・防具シリーズ第4回 「バックラー」  

 すみません、ずっとサボっておりました……。気をとりなおして武器・防具シリーズ第4回はこのシリーズ初の防具として「バックラー」を取り上げたいと思います。これはRPGなどでもおなじみなので、知っておられる方もいるでしょう。ですが、意外とその細かい使用法や戦術との関わりについては知られていません。今回はそこに焦点を当てたいと思います。

 buckler

 アイルランド製のバックラー。「オドノヴァンの盾」とある。

 この盾の最大の特徴は、小型であるために「腕に括りつける」のはもちろん「手で持つ」ことでも活きるという点です。それゆえ防御という目的はもちろんのこと、他の盾とはまた違った使用法が存在しているのです。それを挙げていきましょう。

1.殴れる
それほど大きい盾ではない(直径15~45cmほど)ので、取り回しが容易でこれそのものを武器として相手に殴りかかることが可能でした。特にこれが鉄製のものだとかなりの痛撃になったことでしょう。相手に殴りかかることで、敵は防御に回らざるを得ずその隙にこちらが右手の剣を下から突き上げれば有効打を与えられるのです。大きなカイトシールドだと、大きくて武器として使用するのには少し問題があります。
2.手元を隠せる
接近戦では、1秒1秒が重要です。ですから、敵にこちらの次の一手を読まれないようにすることは戦闘を有利に展開する上で重要となります。そのために右手をこのバックラーで隠すことでこちらが次にどの攻撃に出るのかを見せないようにするのです。大きめの盾でも可能ですが、これだと素早く行えるのもポイントでしょう。
3.封じられる
、敵の剣を持つ手をこの盾で抑えつけることができます。こうすることで、敵の抵抗を押さえ生け捕りにすることも容易だったでしょう。取っ組み合いになったときも有効で、敵を素早く封じ込めることができるのです。

 こういった特徴のあるバックラーは、ほぼ全世界で使用されていたと言っても過言ではないでしょう。特に軽歩兵の運用が盛んであったスペインやアラブ世界などが有名でしょうか。一方で馬上で戦闘するには下方向への防御がし難く、西洋の騎士はカイトシールドと呼ばれる凧型の盾を使用していました。
 こういった剣とバックラーを持った兵士が中核となって戦闘したのは中世のスペイン王国です。彼らはスペインにおいてロデレロと呼ばれていました。もともとイベリア半島は山地が多く、野戦よりも攻城戦が多かったために取り回しの悪い大きな盾よりも小さなバックラーが好まれたのでしょう。例えば新大陸へと向かったエルナン・コルテスの一団の80%近くを彼らロデレロが占めていました。特に彼らは、崩れかけた敵の槍陣形をさらに崩壊させ敗走に追い込むのに優れていました。身動きの取りやすいロデレロに、長さ5mもするようなパイクでは取り回しが悪すぎ、対抗できないからです。しかしロデレロには決定的な弱点があります。軽装で身動きが取りやすい(剣とバックラーの他に鉄兜、鉄製のブレストプレートを装備していました)がために騎兵の突撃に対しては無力だったのです。そのため、1530年ごろに採用された新しい陣形「テルシオ」(マスケット兵とパイク兵を組み合わせた方陣)では彼らの居場所はなくなってしまったのです。
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Posted on 2011/07/17 Sun. 21:47 [edit]

武器・防具  /  TB: 0  /  CM: 0

武器・防具シリーズ第3回 「石とその投射兵器」 

 皆様のおかげで第3回となりましたこの武器・防具シリーズですが、今回は趣向を変えて「石」とその投射兵器について解説しようかな、と思っています。これまで2回がいずれもポールアームについて扱っていましたがここで趣向を変えて
 
 石が人間、それも猿人の時代から使われ続けている人類最古の武器なのはよく知られていることです。最初は石同士を打ちつけて成形したり、石を磨いて人間の望むように成形することも多く、現在のように投げつけるものとしての性格だけではありませんでした。穂先が石の槍や、石斧がその一例でしょう。
 
 しかし、石のそういった利用法は青銅器や鉄器の登場によって次第に衰退します。より強度が高く、鋭利にすることができるので武器の材料としてより有用だったからです。とはいえ、飛び道具としての石はこれから衰退するどころかむしろ発展を遂げていくことになります。

 まず、我々が「パチンコ」として知られるY字型の枠に弾力性のあるひもをくくって、その弾力を利用して石を遠くへ飛ばすものが挙げられます。また、長方形の布の中央に石を巻いて、遠心力を利用して遠くに飛ばすものも非常に長い間使用されつづけています。投射はしていませんが、映画「フル・メタル・ジャケット」では石鹸を撒いた布で微笑みデブを殴りつけているシーンだってあるのですからね。
 
 さらに、古代ギリシャ人が発明したカタパルト(弾力のある木や生物の繊維の張力、場合によっては人力とてこの原理を利用したもの)、そしてローマ人たちがよく用いた大きなクロスボウのようなバリスタと呼ばれる大型の機械を使えば、人間の力では到底投げつけることができない大型の石を遠くに投射することが可能になりました。こういった兵器は敵の密集陣形に射撃したり攻城戦で敵の城壁を打ち破る際に非常に役立つもので、地味ながらも戦争には欠かせないものと言えます。ちなみに、これらの兵器は石だけではなく他のモノも投げつけられました。
 
 時代が進み、中世になると前述の兵器に加え、また新たなタイプの投射兵器が東ローマ帝国で生み出されます。トレビュシェット、です。伝説によるとアルキメデスがすでにそれを発明したとされていますが、その後の資料に全く見られないことから信ぴょう性は薄いとされています。現存する資料の中では、彼らが初めてトレビュシェットを発明して攻城戦で運用したとされています。11世紀末に、現在のアナトリア半島西部のニカイアという都市での攻城戦で、ビザンツ軍が人力でテコの原理を利用して石を投射したのが年代記に記されているのがそれにあたります。では、解説のために図を挿入します。

Trebuchet

 これは、先程の人力タイプと違い、カウンターウェイト式と呼ばれるタイプのトレビュシェットです。こちらのほうがパワーも大きいために一般的でした。図の左上にあるように、滑車(ウィンドラスと呼ばれる)などを利用して錘を引き上げます。それを容器に入れることで、腕木はシーソーのように右へと傾きます。すると、テコの原理で左側にひもでくくりつけてある(これの弾力を利用する)石が飛んでいくというのが原理です。そして、上がってしまった腕木を元に戻すために左側を引っ張るのです。
 
 この機構を利用すると、大きな石でもより遠くへと投げつけることができるのです。使えるエネルギーが大きいので、攻城戦では先ほどのものよりも頼りとなったのです。ビザンツのギリシャ人たちがはじめて使用した後にはセルジューク軍、西欧の諸侯へとまたたく間に広まり、火薬が発明された後もしばらくは信頼できる攻城兵器として利用され続けました。しかし、これにも欠点があり、あまりにも大きいために運搬が難しくで、資材を現地で手に入れてその場で組み立てる必要があったため、準備に時間がかかったということです。投射するのは石だけでなく、疫病を発生させる目的で死んだ生物を投げつけたり、軍の士気を下げる目的で人の首を投げつけたりもしたようです。
 
 火薬が発明された後も、人間はまだまだ石を戦争に使用し続けました。現在のように複雑で精巧な弾丸を製造することは不可能だったので、射石砲の弾丸にはこれまた石が使用され続けました。例えば、1453年のコンスタンティノポリス包囲の際、オスマントルコ軍はハンガリー人の技術者ウルバンを雇い、巨大な射石砲を使用してコンスタンティノポリスの城壁を攻撃しました。しかし、非常に命中率が悪く実際の陥落の原因は鍵の掛け忘れであったので、そこまで貢献したわけでもなかったようです。そして、弾丸を鉄で鋳造できるようになって、ようやく石は攻城兵器としての役割を終えたと言えるでしょう。
 
 このまま石は争いの歴史から姿を消してしまうのかというと、そういう訳ではありませんでした。火薬が発明された後となっても、銃を持たない人間にとって石はそれなりに有効であり続けました。特に、銃を持たない市民たちが何か暴力的な行動を起こそうとするとき、火炎瓶の投擲と共に投石などが起こるのが常です。デモ活動を思い起こしてもらえると良いと思います。これまでも、そしてこれからも、石は人間にとっても最も身近でかつ危険な兵器であり続けるのではないでしょうか?
 

Posted on 2011/04/27 Wed. 21:55 [edit]

武器・防具  /  TB: 0  /  CM: 0

武器・防具シリーズ第2回 「Bill」 

 ようやく第2回目となった武器・防具シリーズですが、前回に続いてポールアームから1つ、Billを取り上げます。この武器そのものはヨーロッパ各地で見られるものではありますが、特にイングランド平民歩兵の主要な武装として有名です。では、武器の使用法とその歴史について述べていきましょう。

 Bill

 注意・・・どうやらBillとBillhookは同一のツールにつけられた異なる呼称のようです。しかしこの記事では便宜上農具としてのツールをBillhook、武器としてのツールをBillと呼ぶことにします。

 見てすぐ分かるように、この武器の特徴は刃の部分が湾曲しているということです。この湾曲はBillhookという農具に由来しており、樹の枝を切り落としたりつるを切り払うのに使用されていたようです。武器で言い換えるなら、斧やナイフのように使用されていたということでしょう。この農具そのものは古代から存在していたので、繰り返しとなりますがイングランドに限らずヨーロッパ各地の農民反乱で見かけることができたようです。

 このように古くから使われていたBillhookですが、バラ戦争で平民階級の使用する武器として一躍脚光を浴びることとなります。軍用に転用されるのと同時期に、本来のBillhookに加えて刃の上部に湾曲から枝分かれしたような突起(スパイク)が加えられ、柄の部分が手斧程度しかなかったものが一気に一般的な槍と同程度に延長されました。集団で歩兵戦を戦うわけですから長いリーチが求められるのは当然の成り行きと言えるでしょう。

 この改造によって、Billhookはバラ戦争を戦い抜くのに十分な武器Billとして変化しました。バラ戦争では領主の雇った完全装甲の騎兵(騎士階級)とそれに付随する長弓部隊(平民階級)、そしてこのBillを持った平民からなる歩兵と様々な理由から下馬して戦闘する騎士(先ほど領主が雇った騎兵が下馬したもの)の4つが戦闘のメインでしたが、Billを持った歩兵はそれ同士はもちろん格上にあたる騎兵と下馬騎士に対して互角とは言えなくても局面次第で圧倒することもできたようです。斧のように相手に振り下ろせば敵のプレートアーマーをその重みで打ち破り、先端の突起で騎兵突撃に対する防壁とし、騎兵の突撃をうまくかわせたならその湾曲部に騎手を引っ掛けて地面に落とすといった用法がメインであったようです。長弓部隊はそもそも交戦距離が基本的には違いますから単純比較できませんが……。バラ戦争には他にも特記事項が山のようにありますがそれはまた別の機会に。

この時期(15C末~16C)は銃火器の発達に伴い、マスケット銃兵と騎兵に対する防壁としてのパイク兵が方陣を組むという戦い方が次第に主流となっていきます(スペインのテルシオなどはその一例)。しかしイングランドでは長弓部隊が消滅するら17世紀頃まで、このBill兵と長弓兵からなる歩兵混成部隊が多く見られたといいます。その理由は先ほど述べたスペインなどでは長弓ではなくクロスボウ(ボウガンのこと)のような装填速度の遅い(高威力ではあるが)弓が主流で、初期の性能の劣悪な銃でもそれの代わりとなりえたのに対して、イングランドではそれの数倍の発射速度を持つ(熟練は要しますが)長弓が初期銃火器より優秀であったということだと推測出来ます。

 その後は銃火器や銃剣の発達によってパイクと同様次第に戦場から姿を消すことになりますが、農民反乱の機会にはしばしば姿を表し、18世紀末のアイルランドのアルスター地方の農民反乱ではこのBillが主武装の一つとなっていたようです。

 さて、今回の武器・防具シリーズはいかがでしたでしょうか?自信の力作です。

Posted on 2011/02/13 Sun. 16:42 [edit]

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武器・防具シリーズ第1回 「Goedendag」 

 さて、読者のみなさんどうもごきげんよう。ブログ開設後まもなくシリーズ物にいきなり挑むという少し無謀な挑戦をしてみようと思って「武器・防具シリーズ」を不定期で記事として書いていくこととしました。その記念すべき第1回の記事はフランドル民兵御用達の武器''Goedendag''です。皆さんご存知?のパイクと並んでフランスからの独立の戦いにおいて大活躍したこの武器について語ってみようかなと思います。

 Goedendag

 この画像はNazanian氏作成であることをここに明記します。

 まず、この特殊な武器について詳しく述べる前に棍棒と槍の手軽さと効果について少し解説しましょう。
一般的に棍棒は剣の刃が通りにくい鎖帷子やプレートアーマーに対して非常に効果的な武器です。扱う人間の腕力と棍棒の重さが直接人体にダメージを与えるからです。それでいて前述のとおり熟練を必要としない武器なので民兵のような集団に広く利用されました。また、槍も棍棒程ではありませんが集団で使用する限りはそれほど立ち回りに熟練を必要としません。槍を持つ兵士が並んで槍を構え、盾を同時に構えるとそれだけで騎兵突撃を跳ね返すことも不可能ではない優れものでした。事実、1066年のイングランドで起きた「ヘイスティングスの戦い」では、イングランド軍の精強な兵士たちが槍と盾を装備して丘の上で密集し、ノルマンディー公の騎兵突撃を幾度も跳ね返しています。プレートアーマーを装備した15世紀の装甲騎士を相手にするにはさすがに役不足ではありますが、熟練した兵士はもちろん民兵にも広く利用されました。
 
 この武器の特徴はなんといっても棍棒と槍の機能を併せ持っているという点です。これを扱うのは都市の商工業者出身の民兵たちですから、それほど訓練の時間を持てない彼らにとって棍棒や槍は剣に比べて使いやすいのでその中間スタイルが採られて発展したのでしょうか。とはいえ、突撃の際にこのGoedendagを使用した後に剣などの武器に持ち替えて戦ったことを示す資料も残っており、さらに民兵の中でも比較的熟練した兵士たちが使用していたとする人もいるようで、資料も少なくはっきりとしたことは分かりません。ハルバードと混同していたり、連接棍棒の一種だと主張する人もいるため、謎に包まれた武器なのかも知れません。
 
 実践での運用について述べます。槍のように構えて騎兵突撃を防ぐという役割はパイクに譲ったようですが、身動きが取れなくなったフランス騎士たちを馬から引きずり下ろし(この引きずり下ろすという攻撃は他の平民向け武器にも多く見られます)たり馬を突き刺す為に先端のスパイクと呼ばれる突起を使用し、落馬したところを数の暴力で取り囲んで袋叩きにするという運用方法が主だったようです。また、敵の歩兵戦列に向かって突撃してコンタクト時にこれを振り下ろして相手を撲殺するという風にも使用したとのことです。
 
 名称の由来は1302年にフランドル地方のブリュージュで起きた反乱で、この時反乱を起こした商工業者たちはフランス人を都市から一掃するために通りかかる人にGoedendag(英訳すると Good day.「こんにちは」という感じでしょう)と挨拶し、フランス訛りで答えた人間をその場で殺していたこととされていますが真偽の程は定かではないようです。
 
 由来とされる事柄の通り、Goedendagはフランスとの戦いにおいてその長所を遺憾なく発揮することになりますが、それでもフランス封建騎士団を相手とするには地の利をさらに得なければなりませんでした。これに関しては機会があれば詳しく解説したいと思いますが今回はとりあえずスルーします。精強を誇った騎士たちの鎖帷子やブレストプレートはこのGoedendagの前には無力でした。純粋なタイマンでは騎士に分があることは間違いないですが、騎士たちは統制の取れないわがままな貴族集団であったこととフランドル側も彼らの混乱を狙った布陣や戦術を駆使したことも手伝ってGoedendagはパイクと並んでフランス騎士を打ち破る原動力となったのです。
 
 しかしこのGoedendagも15世紀には戦場から姿を消します。製造に熟練を要し、価格が高かったためたためというのがその理由のようです。

 参考として Truth in Fantasyシリーズ「騎士団」、およびWikipedia英語版記事を使用しました。(記事執筆当時は脚注も多く、信頼性は比較的あると見られます)

Posted on 2011/01/25 Tue. 17:34 [edit]

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